水温計は嘘を言わない。

水温計、水温計ってしつこい元釣具屋店員のブログ。

釣具屋を辞めるきっかけで学んだ事。「好き」は時に足かせになる。

どーも、ムラキです。

元釣具屋店員です。

いらっしゃいませー

 

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正直な話、仕事で色々な失敗をやらかしてきた。

 

今思い出すと自分でも情けなくなるような凡ミスや、恥ずかしい失敗も沢山あったけど、自分の中で大きなターニングポイントになった出来事があった。

 

あっ、オレ釣具屋で働くのもう無理だわ。

 

って。

 

良くも悪くも自分の道を見つめなおさないといけない出来事だった。

 

良かったら最後までよろしくどーぞ。

 

目次

 

話が長いお客さんに消耗していた。

Aさんっていうお客さんがいた。

 

50代半ば位のおじさんで、正直苦手でした。出来るだけ話しかけられたくなかったけど、残念ながらオレの勤務時間によく来る人で、しょっちゅう捕まっていたんですよw

 

何が嫌って、もうとにかく話が長い。9割自慢話だし、釣りとは関係ない人生論みたいなのを散々聞かされるし、ひどい時はよく分かんない理由で説教されることもあった。

 

まぁ、接客業だし、いつも我慢して笑顔で話しを聞いてたんだけど、ある時遂に我慢が出来なくなった。

 我慢の限界。

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 釣具屋を辞める数ヶ月位前かな。

 

色んな事が重なり、仕事が嫌になり、やる気もなくなりかけていた時期だった。

 

目標もなく、ただ釣りが好きっていうだけでずるずる続けてしまっていて、辞める事も意欲出して頑張る事も出来ず、かなり澱んだ時期でした。

 

他にもプライベートの事で問題が重なっていたり、ストレスも多く、正直今振り返ると接客態度とかもまぁまぁ酷かったかもしれない。

 

そんな時、Aさんが久々に店に来た。レジで商品の値付け作業をやっていたオレに当然話しかける。

 

げんなりしながら、出来るだけの笑顔でいつも通り話を聞いていた。

 

相変わらず長い。

 

ぶっちゃけこの時もそうだし、Aさんの話で内容を覚えていることは殆どない。あれだけ長時間話聞かされて、あれだけ聞いてる風の雰囲気出して聞いてきたのに、だ。

 

でも、この日のオレは我慢が出来なかった。 

 

色々な事が重なって、

 

「もううんざりや」

 

って思った瞬間、造り笑顔をやめて、Aさんの話に反論した。

 

何の話だったかは当然覚えてないし、何に反論したのかさえ記憶にないが、態度も相当悪かったと思う。

 

Aさんの逆鱗に触れた。

 生ぬるい居心地の良さから抜け出す時。

あそこまで人格否定されてぶち切れられたのは初めてだった。

 

オレも流石にそこまで怒るとは思ってなかったし、慌ててやってきた上司と一緒に謝った。何を謝ったのかも覚えていないが。

 

一通り怒りを解き放ったAさんは、顔を真っ赤にして店を出ていった。

 

上司もオレにはあまり何も言わなかったけど、苦笑いしてた表情から

 

「我慢せーよ」

 

っていう怒りを感じ取った。

 

その時思った。

 

「オレ、釣具屋ではもう働きたくない」

 

 正確に言うと、一度別の事に目を向けてみたくなった。

 

釣りという「好き」に囚われて、長年続けた事で手に入れた生ぬるい居心地の良さに浸って、何か大事なものが腐っていってる事がはっきりしたから。

 

それからしばらくして釣具屋を辞めた。

「好き」は時に足かせになる。

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釣具屋を辞めて、とりあえず貯金でもしようと期間工で工場で働き始めた。

 

びっくりするくらい世界が変わった。

 

車の部品の最終検査のラインに配属されたのだけど、自分に向いていたのか思いのほか面白くて、「社員登用試験受ければ?」って上司からもすすめられた。

 

収入も釣具屋時代と比べて上がったし、新しい土地の生活も楽しかった。

 

何より、自分でも想像していた以上にストレスから解放された。

 

対人関係、めまぐるしく変化する業務、苦手な作業・・・ 

 

今思うと、ほんとによく5年も続いたなって思う。今ならわかるけどオレ接客業全然向いてないっスw

 

それ位、釣りという「好き」がデカかったのだろう。

 

しかし、逆のコト言えばそれだけ「好き」が自分の思考や行動に足枷をしていたとも言える。

 

正直もう少し早く違う事に目線を移せれば、って思う事もある。

 

でも全く後悔はしてないけどね。何だかんだで「今」を楽しんでいたとは思うからね。

 

あの時Aさんの逆鱗に触れたのは接客業として最悪だったと思うが、ムラキという一人の人間としての「もう嫌だ!」っていう生身の必死な声だったのは間違いないと思う。

 

Aさんにも、当時の上司にも悪かったけど、あの時「最悪な店員」になれなければ、オレはどうなっていたのかゾッとする。

  

「好き」は大事な感性だけど、別の大事な感性を鈍らせる危険性もある、というのがオレの得た教訓です。

 

「好き」を仕事にしたい人の参考になれば幸いです。

 

以上、ムラキでした。

 

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