水温計は嘘を言わない。

水温計、水温計ってしつこい元釣具屋店員のブログ。

カタログにグリップ長を書いてないロッドメーカーって正気なの?

どーも、ムラキです。

元釣具屋店員です。

いらっしゃいませ~

 

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「グリップの長さにその釣り師の意思が表れる。」

 

 

これは↓の動画(6:29~)でTERU氏が語っている言葉だけど、まさしく至言。


TULALA "MORENA53" (Amazon Jerk Rod Impression)

  

ロッドの調子、長さ、素材、重量、製法・・・とかいうのもロッドの個性や特性を突き詰める上では欠かせないし、メーカーはこぞってそこをカタログに記載したがる。

 

が、

 

オレは世の中のロッドメーカーの大半が何故「グリップ長」をカタログやHPに記載しないのか本気でセンスを疑っています。

  

最初のTERU氏の言葉を借りれば、「グリップの長さを共有する意思に、開発者(メーカー)の熱量とセンスが表れる」とさえ思う。

 

何故グリップの長さが大事なのか?

今日はそこんとこについて語っていきます。

 

 良かったら最後までよろしくどーぞ。

 

目次

 

 グリップの役割とは?

そもそもグリップって何の役割があるのか??という話だが、バランサー、サポーターもしくはスタビライザー、キャストの際の支点と力点、といったところが主な役割だと思います。

 

グリップが長ければ、重いモノを遠くへ投げる際にも力が入りやすく、ファイトの際に脇で挟んで体への負担を軽減したり曲がり方を安定させやすいし、全長の長いロッドや重いロッドでもバランスを保ちやすくなる。

 

その変わり、取り回しが悪くなる&絶対的な重量が増すというデメリットが発生してしまうので、キャストの精度が落ちたり、ロッドアクションをつけにくくなったりもする。

 

逆に短くなれば取り回しが良くなるため、軽いモノでも正確にコントロールしてキャストしやすくなり、ロッドアクションも軽快で、重量も軽くすることが出来る。

 

その変わり、重いモノを投げようとすると力が入りにくく遠投性やキャストの精度が落ちてしまうし、脇に挟む事がしにくくなるので引きが強い魚相手だと体への負担が大きくファイトが辛くなるね。

 

当たり前だけど、長短どちらがいいなんて話じゃないし、上記の通り長かろうが短かかろうがメリットデメリットは発生します。

 

ロッドの特性や個性というのは、スペックとかだけじゃなくてグリップの長さまで含有して初めて見えてくると思うのですよ。

 

グリップの長さや形状を見れば、「あーこういう事重視して作ってるのね」って分かりますよ。その竿が得意な事、苦手な事が意外と明確に表れる部分です。

 

そりゃね、実物を見るのが一番早いですよ。でもこんだけ沢山のメーカーがあるのに、全部手に取ってみるなんて無理じゃん。

 

だから、世の中のメーカー各社のセンスと意思をオレは疑わざるを得ないのですよ。

 

You達何のために竿作ってんの?

何を世に送りだしたいの?

 

っていう。

 

www.daiwa.com

www.apiajapan.com

www.megabass.co.jp

 

ダイワ、アピアメガバス

あくまで一例だけど、はっきり言うね。

 

正気ですか?

 

あのね・・・仰々しいテクノロジーやコンセプトはつらつらと書いといて、なんで「グリップの長さ」位書けないのさ。

 

自由でいい。わがままでいい。信頼する彼らの腕と想いとセンスを、最新のノウハウを結集して形にする。一人一人が考える「今、自分に必要なロッド」、「今の自分のスタイルを進化させるようなロッド」を純粋に要求してもらう。自分だけのカスタムロッドを発注するような感覚でロッドメイキングに向き合ってもらうのがFoojin'ADの開発プロセス

アピアHP より引用

 

アピアさんさ、だったらグリップの長さ位どーして表記しないのよ、仲間の思いとセンスを形にしたいんでしょ?

 

悪いけどオレは、自分たちの意思を「仰々しいスペックやコンセプト」だけでしか語れないメーカーの事を「良いロッドメーカー」とは呼びたくないし、

 

そこに重要性を見出せないような人間が作ったロッドに、少なくともHPやカタログのスペック表見ても全く興味も価値も見いだせない。実物触って良かったら別です。

 

そりゃ、エントリークラスとかならギリ分かる。分かりやすいとこだけピックアップして初心者の方でも選びやすく、っていう感じでさ。

 

でも上で挙げたロッドは全てハイエンドクラスですよ。せいぜい数百mmのたった3ケタの数字さえ表記できないって事は「そこを重視して作ってない」「価値を伝えたくない」という意思すら逆に感じる。

 

 悪口みたいな事ばかり書くのもあれだから、オレがイケてる!と思うメーカーも挙げていこう。 

意思を表明できるイケてるロッドメーカー。

ぶっちゃけて言えば、オレが一番ロッドメーカーとして信用&信頼しているメーカーはシマノです。カタログには当然グリップ長は記載されていますね。正確に言えば、リールシート位置っていう表記だけど。

 

他にも最初に挙げた動画のツララ、がまかつ、天龍、ノリーズ、デプスなんかも記載があるし、

 

ヤマガブランクスやパームスなんて、HP見てもらうと分かるけどグリップの全長、リールフットからグリップエンドまでの長さの両方記載している。

 

Ballistick TZ NANO | YAMAGA Blanks

Pinwheel |PALMS | Angler’s Republic

 

ヤマガブランクスの場合、グリップとはちょっと違うけれど推奨リールウェイトまで明示している。重量バランスへの拘りっぷりがえげつない。ここまで書く必要があるのかは正直分からんけどw

 

とはいえさすがはブランクスメーカー。拘りが違うね。

忘れちゃいけない。自分の体に触れるのはグリップだけ。

忘れがちな話だけど、どんな長さのロッドであっても、人間が触れるのはグリップだけなんですよ。

 

リールとロッドをパーミングしたり、キャストの際にグリップエンドを握る手のひらは勿論だし、腕、肘、脇、腹・・・キャストから取り込みまで必ず自分の体が触れ続けるのはグリップだけだよね。

 

釣り人はもっとグリップに拘った方が良いんじゃないかな?結局メーカーも「だってみんな知りたがらないじゃん」的な態度なのかもしれないし。

 

自分に合った良い竿に出会うと、リールシート付近だと薬指と小指が、グリップエンド付近なら脇と肘が”喜ぶ”よ。安心感があるというか、無理なく支えられて力を伝達しやすいんです。

 

情報としての限度はあるとはいえ、自分の体に触れる感覚をおおよそ掴める情報を伝えたり共有しようとしないメーカーはやはり良くないと思うよ。

ロッドメーカー各位様へのお願い。

作り手は気が付いていないかもしれませんが、釣竿選びは正直ガチャ性が高いです。

 

使ってみないと自分に合うかどうか判断できない事も多いので、運も大きく絡みます。それ自体はしょうがないけど、グリップの触れる感覚だけは買う前からおおよそは判断出来るので、せめてグリップ長位はメーカーは公表すべきでは?

 

リアル店舗で全ラインナップを触れてもらえる機会なんて、一部のイベントを除けば最大手のダイワシマノがまかつでさえ不可能です。それかFS位ですが、それも年数回レベルの機会です。

 

ECサイトでの買い物がごく当たり前のこの時代に、いつまで釣人に不親切なガチャ引かせるつもりですか?悪質でさえありますよ。

 

グリップ長さえ分かれば、グリップエンドが腕のどのあたりに触れるのか、脇に挟めるのかといった事は最低限分かります。操作性やキャスタビリティーもある程度想像が付きます。

 

仰々しいテクノロジー論なんかより、たった3ケタの数字の方が遥かに解像度の高い情報なので、いい加減釣り人目線で商売したらどうすかね? 

おわりに

一応言っておくけど、オレが上で晒したメーカーのロッドは必ずしも悪い訳ではない。事実、お店で触ってみたら「これスゲーいいじゃん」っていうモノも沢山出会って来たしね。

 

でも、悪いけど信用には値しないかな。

触れる部分の情報を十分に与えないのは。

 

ロッドの個性や特性の伝え方が違うんじゃないの?ズレてるんじゃないの?

 

グリップは自分の体に唯一触れる場所なんだから、メーカー各社さん、もう少し配慮しません?

 

参考になれば幸いです。

 

以上、ムラキでした。

 

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