水温計は嘘を言わない。

水温計、水温計ってしつこい元釣具屋店員のブログ。

リアル系ワームって、リアルな話あまり売れないよ。元店員がそのワケを考えてみた。

どーも、ムラキです。

元釣具屋店員です。

いらっしゃいませ~

 

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 出典:フィッシュアローHP

 

 

まんま小魚じゃん!

 

っていう位ベイトフィッシュそっくりな見た目のリアル系ワーム。代表的なものだと、フィッシュアローのフラッシュJ、OSPのマイラーミノーとかだね。オレも今では積極的には使わないけど、以前は色々試していました。

 

ぶっちゃけ見た目&ワームっていう時点で釣れそう感はMAXレベルだけど、案外好みは分かれやすいルアーだったりもする。

 

事実ねぇ、案外沢山売れるような商品でも無かったりするんですよ、実は。むしろ、「これもう、エサじゃん」っていう感じであえて避けてる人もいるかもね。

 

なので今回は、この「釣れるものは欲しいけどリアル過ぎても・・・」っていうもどかしい葛藤さえも生むリアル系ワームについて、一釣り人としては勿論だし、元店員からの視点でも語ってみようと思う。

 

釣人の難しい感情を一緒に考えようぜww

 

良かったら最後までよろしくどーぞ。 

 

目次

 

ぶっちゃけ案外売れないよ。

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まずは元釣具屋店員としての視点から語ってみよう!

 

見た目がリアルだし結構売れてそう!っていうイメージがある人もいるかもしれませんが、実は案外売れません。

 

売れないというと語弊があると思うけど、基本それなりに売れるけど飛びぬけた売れ方はしてませんよ、っていう意味です。

 

リアル系ワームって昔からあったはあった。でもやっぱりそこまで支持されてこなかったんだろうね。

 

ダイワが大昔に出してたジュラシックなんて、たまにハードオフとか行ったりすると釣具のコーナーに大量においてたりするけど、「リアルは釣れる!」的なキャッチコピーとは裏腹に古ぼけたパッケージ越しにオレの事見つめてくるリアルアイがスゲー悲しげなのww

 

釣具屋で5年位働いていて、見た目のリアルさを売りにしてたルアーで定期的に在庫補充するようなポジションまでのし上がったワームってフラッシュJとマイラーミノー位じゃないかなぁ。

 

もう作ってないけど、ジャッカルのスーパークロステールシャッドとかも一時期は売れてたけど。

 

それ以外のこの手のワームは、一度仕入れたらそれっきり。売り切ったら次は無し、っていうケースが殆どでしたね。

 

っていう位、安定して売れてくれる商品は意外と少ない。むしろ、一般的なフォルムや造形のワームの方が何だかんだでよく売れるモノは多い。

 

ある意味不思議だよね。釣人って、釣れるルアーを欲しがるはずなのに、まんまエサっぽくて釣れそう感が飛びぬけると案外手を出さないっていう。

どうしてリアル系ワームはバカスカ売れないんだろう?

元店員&一釣り人目線でこの辺りについて冷静に分析してみようと思う。 

~リアルな現実その1. 地味に値段が高い~

これは結構デカいと思う。

 

一概には言えませんが、大体この手のワームって800~900円前後とか、下手したら余裕で1,000円超えるモノとかもあります。

 

この価格って、釣れ方との費用対効果を考えると果たして600円台で買えるワームに勝るか??っていう絶妙な天秤に掛けざるを得ないラインだと思う。

 

コスパは全てではないけれど、どうしても考えてしまうよね。

~リアルな現実その2. パッケージがかさばる~

これはボートの人はあまり気にしないかもしれないし、当然モノにもよるけど、この手のワームってブリスターパックに収められたモノとかも多いんですよ。

 

マイラーミノーとかまさにそうだし、イマカツのジャバロン スーパーリアル(ノーマルのジャバロンもだが)もパッケージでかいし、メガバスジャミラもワームサイズの割に地味に幅取る。

 

オカッパリアングラー泣かせだよね、実際。

 

オレみたいにあまり細かい事は気にしないタイプの方だと、ソフトパックに移し替えたりするだろうけど、モノによってはクセが付くと本来の動きが・・・っていうのもあるだろうし。

 

それにね、店員としても地味に頭が痛いんですよ・・・ブリスターパックのワームって。リアル系ワームに限った話でもないけど、ホント地味に幅を取るから品出しの時に結構イライラする事もありましたよ。

 

このパックの余白数mmさえなかったらバー下げずに済むのに!!ってww

 

おい聞いてるか?

ケイテック。

 

リアル系ワームは出してないけどねw

~リアルな現実その3. リアル=爆釣っていう訳ではない~

当たり前だけどいくらリアルだからって、水に入れた瞬間に数10m先からバスが寄ってくるなんて事も無いわけで。そもそも魚がいる場所に投げるのが前提なのはどんなルアーでも同じだよね。

 

それにリアル系ワームって基本的にピンテール系でアピール力が弱く食わせ重視のモノが多い。それが悪いわけではないけど、少なくとも魚を寄せる力が弱いモノの方が多いと思う。勿論最近だとシャッドテール系や、グラブ系のその手のワームも増えては来たけどね。

 

それでも基本的には食わせ重視で動きやアピール自体は控えめ、魚を寄せる力は弱いモノが多いと思います。

 ~リアルな現実その4. 当たり前に釣れる~

あんなの人間でさえ下手したらぱっと見本物だと勘違いするからww

 

そりゃ魚は釣れるよね、っていう。

 

やっぱりルアーの魅力の一つって、「こんな偽物で釣れた!」っていうワクワクも大きいと思うんですよね。だって初めてスピナベで釣った時の感動って異常じゃんww

 

その点、果たしてリアル系ワームにはそういう感動が生み出せるのかっていう強い疑問は拭えないねぇ。

 

魚が釣れるっていう期待は裏切らないけど、感動っていう期待は超えて来ない。

 

正直、この手のワームが案外売れないのはそういう部分が一番強いと思いますね。

でもリアル系ワームはリアルだけが良さじゃないと思う。

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出典:O.S.P HP

 

なんだか否定的な見方ばかりになってるから少しフォローを入れると、ぶっちゃけこの手のワームには案外見た目のリアルさ以外のメリットも多いと思うんですよね。

 

純粋にルアーとしての機能やアピール性で優れている点を挙げていこう。

~意外なリアルその1. 明滅やフラッシングによるアピール性~

モノにもよるけど、シェイクしたりアクションを加えた時の明滅やフラッシング性が素晴らしいモノは多いです。

 

リアル云々というより、純粋にルアーとしての魚を惹きつける効果は一般的なワームでは中々生まれないと思います。

 

初めてフラッシュ、や、ジャッカルのスーパークロステールシャッドを使った時とか感動したねぇ。リアルさ云々より、この明滅とフラッシングは他に替えが効かねぇわ、って。 

~意外なリアルその2. 案外針持が良い~

これもモノによるけど、この手のワームって素材自体がやや硬めだったり、マイラーミノーみたいに中に仕込んだ丈夫な素材のおかげでフックをしっかりホールドしてくれるものもあるからね。

 

まぁ、オレは使った事も仕入れた事もないけど、ジャッカルが出してたクローンアユやクローンギルとかは凄まじく脆かったらしいけどねww

 

ぶっちゃけた話、この手のワームって廃盤になる物も多いし、釣具屋であまり見かけない物も多い。

 

そんな中でもフラッシュJやマイラーミノーが廃盤にならずに、それどころか比較的多くの釣具屋で見かける商材として君臨しているのは、こういう純粋にルアーとしての機能性やアピール性という観点で優れたアイテムだからだと思う。

 

自分でも色々試してきたからこそ思うけど、釣人ってただ魚が釣れるだけじゃ満たされないのだと思うのですよ。やっぱりどこか「これで釣った!」っていう感動と刺激が欲しい。

 

だから、廃れていくリアル系ワームというのは単純に「面白くない」んですよ。その点、リアル系ワームに限らず長く支持されていくルアーというのは、使っていて刺激的で「面白い」。

 

釣人の難しい感性を満たし、釣るまでのプロセス思考を刺激するような要素をちゃんと備えているんだと思う。

 

釣れるだけじゃ人はモノを買わない。

その事が明確に表れているのがリアル系ワームのリアルな市場だね。

まとめ

釣具屋で働いていると「これは売れるだろう!」と踏んだものがさっぱり売れない事もあるし、そこまで期待してなかったルアーが長く支持されるようになっていった事もあった。

 

ぶっちゃけた話、リアル系ワームって店側としては地味に仕入れが難しい商材だったりする。

 

やっぱり見た目の効果である一定度は売れるんですよ。でも、ある時ピターッ!っと止まる。

 

そうなった時に意外と扱いが難しい。値段も高いし、割と不良在庫になっていきやすいパターンもあるから・・・

 

リアルな造形のルアーの事を「人が釣れる」っていう風に揶揄する人もいるし、シンプルに「魚が釣れる」のが良いルアーだと思っている人も多いけど、人や魚が釣れるだけじゃモノは案外売れないのよ。

 

「人を満たす」

 

そういう面白さに満ちたモノが、真に売れる&釣れるルアーとして君臨していく事が、釣具屋での仕事を通じて分かった事ですね。

 

参考になれば幸いです。

 

以上、ムラキでした。

 

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